バイオコークス

バイオコークスとは

近畿大学理工学部の井田民男教授によって開発された新しいバイオマス固形燃料です。バイオマス原料を加熱・圧縮することで製造されます。加熱することによって原料中のヘミセルロースが熱分解されて接着効果が発揮され、さらに加圧することでリグニン反応が起こって固形化したバイオマス燃料です。光合成由来の植物性廃棄物から保有するエネルギーの損失がほとんどなく製品化されますので、バイオマスエネルギーの有効利用と石炭コークス代替として期待できます。

特徴

①原料歩留り率100%
製造中に灰などの残渣の発生がなく、原料中の揮発成分も揮発しないので理論上の原料歩留り率は100%、即ち投入原料重量がそのまま製品重量になります。

②原料保有エネルギーを100%有効利用
原料中の揮発成分の揮散がないので原料が保有するエネルギーを100%有効に利用できます。

③高いエネルギー密度
比重は1.2~1.4で、原料比重(木屑では0.2~0.3)に比べて極めて大きく、燃料としての輸送効率が高く、遠い消費地までの流通が可能です。さらに原料投入・貯蔵設備や搬送設備をコンパクト化できます。

④保管性に優れた固形燃料
強度が高いので輸送時や保管時の破損・崩壊が少なく、吸水・腐敗もしないので長期間の保存が可能です。保管中の放射性セシウムなどの有害物質の溶出も防止できます。また炭のように火がつきにくく自然発火の心配もありません。

⑤CO2削減効果
カーボンニュートラルであり化石燃料代替品としてCO2削減の効果があります。